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若いのに不調はなぜ起きるのか 医師が見つけた「整える」という視点

医師・大友博之氏に、医師としての専門的な視点と、一人の生活者としての視点からお話を伺う全6回シリーズ『大友博之ドクターが紐解く 暮らしと医学』。

ワインをこよなく愛し、料理にも広く精通する大友先生を迎え、本シリーズでは「ワインと水」をテーマに、医療と日々の暮らしを結ぶヒントを探っていく。

第1回となる今回は、まず大友ドクターの専門分野や、医師として歩んできた道のりについて伺った。

大友博之(以下:大友)渋谷セントラルクリニック代表、日本抗加齢医学会専門医、欧州抗加齢医学会専門医 →プロフィール詳細
インタビュアー(以下:聞き手)


投稿日:2026.6.30   |  読了:3分  

若い患者に感じた“違和感”、なぜ「若いのに不調」なのか

聞き手:ご専門の分野について教えてください。

大友:もともとは、腰痛や膝の痛みといった「慢性的な痛み」を専門にしていました。

ただ、大学病院で診察をしている中で、ずっと気になっていたことがあったんです。それは、「若いのに、ずっと痛みや不調を訴えている人が多い」ということでした。

30代・40代で、朝起きられない、体が重い、仕事に行けない―。

ホルモンが示した「もうひとつの年齢」

大友:あるとき、そういった患者さんのホルモンの値を測ってみたことがありました。すると、年齢は30代なのに、成長ホルモンなどの数値が、70代や80代のような状態だったんです。

見た目は若いのに、体の中は老化している。つまり、「年齢」と「身体の状態」が一致していない。

「あ、これは老化が早く来ている状態なんだ」と気づき、“痛みを治す”という視点から、“老化そのものに向き合う”という方向へと進んでいきました。

※成長ホルモン・・・脳の「脳下垂体」から分泌されるホルモン。子どもの成長を促すだけでなく、大人では筋肉や骨の維持、脂肪代謝、組織の修復など、体のメンテナンスにも重要な役割を担う。

アンチエイジングから長寿医学へ

こうした経験から、私はアンチエイジング、抗加齢医学という分野に関心を持つようになりました。

2000年代の前半に日本でも広がり始めた分野で、老化という観点から体を見ていくという考え方です。

そして、2020年以降はさらに、長寿医学、ロンジェビティメディシンと呼ばれる領域へと関心が移っています。遺伝子など、これまでよりも踏み込んだ部分に関わる分野です。

※ロンジェビティメディシン(Longevity Medicine)・・・単に寿命を延ばす(延命)だけでなく、心身ともに健康で若々しい状態を長く保つ「健康寿命の延伸(ヘルススパンの最大化)」を目的とした新しい医療アプローチ。 近年、欧米を中心に急速に発展しており、2026年時点では日本でも最先端の予防医学や再生医療の文脈で大きな注目を集めている。

「整える医療」という発想

聞き手:アンチエイジングや長寿医学というと、高齢の方に向けたものかと思っていました。若い方の不調がきっかけというのは意外でした。

大友:アンチエイジングの考え方は、病気を治すというよりも、体を整えていくということにあります。

早く老化しているのであれば、腸内環境を整える、運動をする、日に当たる、人と話す、そういったことを積み重ねていくことが重要になります。

アンチエイジングの考え方は、ワインに通ずるものがある

大友:この「整えていく」という考え方は、実はワインとも共通する部分があります。

人間と植物、そして他の生き物も、本質的にはあまり変わらないんですよね。

→第2回『ワインと医学の共通言語―「整える」ということ』へ続く

Q&A

年齢に関係なく、体の状態(ホルモンや生活習慣)が老化に近い状態になることがあるためです。

病気を治すだけでなく、体の状態を整え、老化を緩やかにすることを目的とした医学の考え方です。

長寿医学は、より長く健康に生きることを目的とし、遺伝子なども含めた広い視点で体を捉える分野です。

Profile

大友博之|渋谷セントラルクリニック代表

シーガルフォー使用歴は約20年。エピジェネティクス・長寿医学を専門とし、「何を食べ、何を飲むかが遺伝子の発現を変える」という視点から、予防医療や健康寿命に関する情報発信を行っている。

> 健康寿命を科学的に延ばす未来医療メディア『IshiPedia』
> 東京の長寿医学・個別化医療『渋谷セントラルクリニック』

渋谷セントラルクリニック代表として臨床に立つ一方、自身も深いワイン愛好家として知られ、医療・食・芸術・ライフスタイルを横断した独自の提案を続けている。

医食同源をテーマにした西洋薬膳レストラン「FAM」の監修など、食と健康を結びつける取り組みも行なっている。芸術や文化への造詣も深く、「豊かに生きること」と「健康であること」の接点を人生を通して探求し続ける、唯一無二のドクター。

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