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ワインと医学の共通言語「整える」ということ

ワインと医学は、一見するとまったく異なる世界に見える。
しかし医師・大友博之氏は、その根底にある考え方に、共通点を感じているという。キーワードは、「整える」という視点だった。

医師としての専門的な視点と、一人の生活者としての視点からお話を伺う全6回シリーズ『大友博之ドクターが紐解く 暮らしと医学』。第2回である本回も、ワイン愛好家であり、料理にも広く精通する医師・大友博之氏に、「ワインと水」をテーマに話を伺う。

大友博之(以下:大友)渋谷セントラルクリニック代表、日本抗加齢医学会専門医、欧州抗加齢医学会専門医 →プロフィール詳細
インタビュアー(以下:聞き手)


投稿日:2026.6.30   |  読了:3分  

ワインとアンチエイジングの共通点

聞き手:ワインと、先生の専門分野アンチエイジングとは、どこか関係があるのでしょうか。

大友:実はすごく似ているんです。

アンチエイジングの考え方は、「病気を治す」というよりも、「整えていく」というものなんですね。

ワインも同じで、環境が整って初めて良いものができる。
そういう意味で、非常に近いものを感じています。

「整える」という考え方

大友:アンチエイジングの世界では、例えば腸内環境を整える、運動をする、日に当たる、人と話す―そういったことを積み重ねていくことで、状態を良くしていきます。

何かを一つ取り除く、というよりも、全体のバランスを整えるという発想です。

ワインも同じで、土壌がとても重要です。
土壌の状態によって、ブドウの質が変わり、最終的なワインの味が変わる。

人間で言えば、それは腸内環境に近いと思います。

日光や雨、風、脱水にならないこと、細胞が元気であること―どんな環境で育つかによって、その後の状態が大きく変わるという点で、非常に似ています。

自然と人間の関係、環境と状態のバランス

聞き手:おっしゃっていることは、医者と農家とは、ある部分において近い仕事をされている、というふうにも聞こえます。

大友:そうですね、実は近しい部分があります。

理想としては、できるだけ自然な状態でバランスを保てることが望ましい。

ただ、病気の場合は薬を使うこともある。すべてを自然に任せるわけではありません。そして、悪い部分があるからといって必ず排除するべき、というわけでもないし。

必要に応じて人が手を加えることもあるし、合成的なものを使うこともある。それは医療でも同じです。

中には、病気になったときに自然療法だけで対応するという考え方の方もいますが、それも含めて、それぞれの選択だと思います。

ただ、そこに至る前に何かできることがある。それがアンチエイジング医学の考え方であり、そのプロセスや視点が非常に重要だと感じています。

そのために環境を整え、状態を見ながら手を加えていく。そういう意味で、考え方は非常に近いものがあります。

サイエンスとアートの交差点

聞き手:一見まったく異なると思っていたワインづくりと医療の共通点に驚きです。

大友:同じブドウでも、つくり手によってまったく違うものになる。医療も同じで、考え方やアプローチによって結果は変わります。

ワインづくりは、実は医療というものをすごくオーバーラップしているんです。

ゲノムの分野では、ブドウの方が進んでいる部分もあります。例えばDCR(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)のクローンをアメリカに植えましたとか。むしろ医療がワインを追っているくらいのところもある。

ワインというのは、そのアイディアも含めて、サイエンスとアートがくっついたすごいものだと思います。

ワインの味が好きというのもありますが、、、そういう背景もあって、僕はワインに関しては、どちらかというと自分の仕事にオーバーラップして好きっていうところはあるかな。

→第3回『僕がワインを飲むようになったきっかけ』へ続く

※ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティフランス・ブルゴーニュ地方ヴォーヌ・ロマネ村に拠点を置く世界最高峰のワイン生産者のひとつ。極めて限られた畑と少量生産によって生み出されるワインは希少性が高く、「世界でもっとも高価で名高いワイン」と評されることもある。特に「ロマネ・コンティ」は、ブルゴーニュを代表する銘醸ワインとして世界中の愛好家から特別な存在として扱われている。

Q&A

どちらも「整える」という考え方が重要で、環境やアプローチなどによって結果が変わる点が共通しています。

病気を治すというよりも、生活習慣や体の状態を整えていくことで健康を維持する考え方です。

体の状態に大きく影響し、健康や不調に関わる基盤となるためです。

Profile

大友博之|渋谷セントラルクリニック代表

シーガルフォー使用歴は約20年。エピジェネティクス・長寿医学を専門とし、「何を食べ、何を飲むかが遺伝子の発現を変える」という視点から、予防医療や健康寿命に関する情報発信を行っている。

> 健康寿命を科学的に延ばす未来医療メディア『IshiPedia』
> 東京の長寿医学・個別化医療『渋谷セントラルクリニック』

渋谷セントラルクリニック代表として臨床に立つ一方、自身も深いワイン愛好家として知られ、医療・食・芸術・ライフスタイルを横断した独自の提案を続けている。

医食同源をテーマにした西洋薬膳レストラン「FAM」の監修など、食と健康を結びつける取り組みも行なっている。芸術や文化への造詣も深く、「豊かに生きること」と「健康であること」の接点を人生を通して探求し続ける、唯一無二のドクター。

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