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環境リスク時代のセルフケア 長寿医学から考える「整える習慣」

PM2.5、PFAS、重金属、マイクロプラスチック―。

現代には、目に見えない環境リスクが数多く存在している。しかし、それらを完全に避けて生きることは難しい。では、私たちは何を意識すればよいのだろうか。

医師・大友博之氏に、医師としての専門的な視点と、一人の生活者としての視点からお話を伺う全6回シリーズ『大友博之ドクターが紐解く 暮らしと医学』。シリーズ最終回では、長寿医学を専門とする大友先生に、環境リスクと向き合うための日々の習慣、そしてワインと水との付き合い方について伺った。

大友博之(以下:大友)渋谷セントラルクリニック代表、日本抗加齢医学会専門医、欧州抗加齢医学会専門医 →プロフィール詳細
インタビュアー(以下:聞き手)


投稿日:2026.6.30   |  読了:3分  

環境リスク時代に必要なのは「整える力」

聞き手:PM2.5以外にも、PFASやマイクロプラスチックなど、さまざまな問題が話題になっています。私たちは何に気をつければよいのでしょうか。

大友:もちろん、できるだけ取り込まないようにすることは大切です。

ただ、水や空気は生きるために必要なので、完全に避けることは難しいんですよね。

だからこそ、「どう整えるか」という視点が大事になってきます。

例えば、私がいつもお話しするのは太陽を浴びることです。
ビタミンDは慢性炎症を抑える非常に重要な要素ですし、朝に日光を浴びることで睡眠のリズムも整います。

今はスマートフォンやパソコンの光を見続ける生活になっていますが、人間は本来、昼は明るく、夜は暗いというリズムの中で生きています。朝に10分でも太陽の光を浴びることは、体内時計を整える意味でも非常に重要なんです。

アルコール代謝にも良い水が必要

聞き手:習慣と言えば、今回は「ワインと水」がテーマだったので・・・大友先生もワインを飲みすぎることはありますか?

大友:ありますね(笑)。

聞き手:そういうときはどうされますか?

大友:大事なのは水です。

医学的な話をすると、アルコール1gを代謝するために、体は約10mlの水を必要とします。ですから、13%くらいのアルコールのワインを飲むなら、最低でも同量程度の水を飲むことをおすすめしています。

ただし、ここでも重要になるのが水の質です。不純物や有害物質を含む水では、肝臓がアルコールの代謝と有害物質の処理を同時に行わなければならない。

そうすると体への負担はどうしても大きくなってしまいます。

質の良い水は、ワインを美味しく楽しむためだけではなく、体への負担を最小限にするための、もうひとつの主役なんです。

長寿地域に共通しているもの

聞き手:あらためて・・・長寿医学の観点から見ると、水はどのような意味を持つのでしょうか。

大友:面白いことに、世界の長寿地域の多くは、ワイン文化と良質な水源を併せ持っています。

イタリアのサルデーニャ島や、ギリシャのイカリア島などが有名ですね。彼らは少量の地元ワインを楽しみながら、清浄な山の水や湧き水を日常的に飲んでいます。

PM2.5や重金属汚染の少ない環境で、質の良い水を飲む。それは、結果として長寿との関連を考えさせられる点だと思います。

逆に言えば、都市に暮らす私たちは、意識的に環境の質を補っていかなければならない時代になっているのかもしれません。

(写真上)イカリア島に暮らす、美しい100歳の女性。
(写真下)サルデーニャ島・マッダレーナ諸島のブデッリ島にある、息をのむほど美しいピンクサンドビーチ

今の時代に選ぶべき水とは

聞き手:今の時代を健康に生きるために、大切なことは何でしょうか。

大友:古代の人々は、汚染された水から身を守るためにワインを飲んでいました。

そして現代の私たちは、PM2.5や重金属、マイクロプラスチックなど、古代とは比べものにならないほど複雑な環境の中で暮らしています。

だからといって、すべてを避けて生きることはできません。

大切なのは、環境とどう向き合い、自分自身をどう整えるかだと思います。

朝日を浴びること。
しっかり眠ること。
良い水を飲むこと。
そして日々の生活を少しずつ整えていくこと。

エピジェネティクスの観点から言えば、一日の差は小さくても、10年、20年の積み重ねが脳や体の遺伝子発現に影響していきます。
特別なことではなく、毎日の小さな選択を続けること。
それが長寿医学から見た健康づくりの基本だと思います。

Q&A

すべてを避けることは難しいため、日々の生活を整えることが大切です。

ビタミンDの生成を助け、体内時計を整え、睡眠の質の向上にもつながります。

アルコールの代謝には水が必要です。十分な水分補給は脱水対策にも役立ちます。

良質な水源や自然環境に恵まれ、日々の生活習慣が整っていることが特徴として挙げられます。

朝日を浴びること、十分な睡眠をとること、適切な水分補給を心がけることです。

Profile

大友博之|渋谷セントラルクリニック代表

シーガルフォー使用歴は約20年。エピジェネティクス・長寿医学を専門とし、「何を食べ、何を飲むかが遺伝子の発現を変える」という視点から、予防医療や健康寿命に関する情報発信を行っている。

> 健康寿命を科学的に延ばす未来医療メディア『IshiPedia』
> 東京の長寿医学・個別化医療『渋谷セントラルクリニック』

渋谷セントラルクリニック代表として臨床に立つ一方、自身も深いワイン愛好家として知られ、医療・食・芸術・ライフスタイルを横断した独自の提案を続けている。

医食同源をテーマにした西洋薬膳レストラン「FAM」の監修など、食と健康を結びつける取り組みも行なっている。芸術や文化への造詣も深く、「豊かに生きること」と「健康であること」の接点を人生を通して探求し続ける、唯一無二のドクター。

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