SEAGULLIV COLUMN




僕がワインを飲むようになったきっかけ

人はなぜワインを好きになるのか。
味や香りだけではない、その背景にある体験や記憶が、一杯の意味を深くしていく。

医師・大友博之氏に、医師としての専門的な視点と、一人の生活者としての視点からお話を伺う全6回シリーズ『大友博之ドクターが紐解く 暮らしと医学』。

ワインをこよなく愛し、料理にも広く精通する大友先生を迎え、本シリーズでは「ワインと水」をテーマに、医療と日々の暮らしを結ぶヒントを探っていく。

大友博之(以下:大友)渋谷セントラルクリニック代表、日本抗加齢医学会専門医、欧州抗加齢医学会専門医 →プロフィール詳細
インタビュアー(以下:聞き手)


投稿日:2026.6.30   |  読了:3分  

「かっこいい大人」がくれた入口

聞き手:先生は、どんなきっかけでワインがお好きになられたんですか?

大友:ワインを飲みに連れて行ってくれた人がいて。

そこからは、ほとんどワインとウイスキーしか飲まない生活でしたね。
ビールはほとんど飲まなかったです。

聞き手:最初は味が好きで、という感じだったんですか?

大友:いや、どちらかというと、周りの大人たちがみんなワインを飲んでいて、かっこよく見えたんですよね。
「ワインを飲んだ方がいいよ」って言われたりもして。

「これは違う」と感じた瞬間

大友:最初は、シャンパーニュやイタリアワインをよく飲んでいました。

あるとき、古いブルゴーニュのワインを飲んだんです。
そのときに、「あ、これは今まで飲んできたものとは何か違うな」とびっくりして。

そこから、なんとなくワインにのめり込んでいったという感じですね。

気分で変えるワインの選び方

聞き手:お好きなワインはありますか?

大友: どれも好きなんですけどね。
ブルゴーニュも、シャンパーニュも、ボルドーも、それぞれ好きです。

ただ、気分によって飲み方は変えています。

例えば、ちょっと反省したいなと思うときはボルドーを飲むかもしれない。

ボルドーって、ゼロメーター地帯の、何度も何度も海の影響を受けてきた土地を、オランダ人が灌漑して整えて、ワインが作れるようになった歴史があるんです。

そういう背景もあって、人間の知性が試されているようなワインという感じがする。

うきうきっていうよりは、飲むと少し落ち着いて、「今日どうだったかな」と考えるような時間になるんですよね。
シャンパーニュはまた少し特別で、楽しいときも、そして意外と悲しいときも飲まれるものだと思います。イギリスではそういう文化があると聞いたことがありますが、どんな場面でも寄り添う存在というか。

そういう意味で、それぞれに役割があるように感じています。

最近は、自分の専門の長寿医学というものを、考えることが多いんです。
なので、どちらかというとボルドーを飲むことが増えています。

気分が上がるというよりも、少し落ち着いて、考える時間を持つために。

ワインは「一人ではない」飲み物

聞き手:今回、先生にインタビューさせてもらえてよかったです。
お医者様がプライヴェートでどうやってワインと付き合ってらっしゃるのか興味があったんですが、予想以上に色々なお話を聞くことができてうれしいです。

大友:ワインの難しい話はできないんですよ。そんなレベルで飲んでるんで(笑)。
ワインって、人間社会にあるものをぎゅっと凝縮したようなところがあると思う。

例えば、お父さんの代は良かったけれど、子どもが継いだら全然変わったよね、とか。
時代が変わって、温暖化の影響もあって、どうしても変わってしまう部分もある。

ただ美味しいだけではなくて、「苦労しているんだろうな」とか、「うまくいっていないのかもしれないな」とか、そういう背景も含めて見る面白さがある。

歴代お医者さんとか、歌舞伎役者みたいな人も、ビジネスでも技術でもなんでも、やっぱり継承って難しいですが、いろいろ含めて「代々、ずっとあの家を応援してます」っていう根強いファンのような。

ワインもちょっとそういうところがある気がします。

→第4回『“安全な飲み物”だったワイン―環境リスクから始まる長寿医学』へ続く

Q&A

味だけでなく、人との出会いや体験がきっかけになることが多いと考えられます。

個人差はありますが、大友先生は気分や状況によってワインを選んでいると語っています。

特定のルールよりも、まずは自分の体験として楽しむことが大切とされています。

Profile

大友博之|渋谷セントラルクリニック代表

シーガルフォー使用歴は約20年。エピジェネティクス・長寿医学を専門とし、「何を食べ、何を飲むかが遺伝子の発現を変える」という視点から、予防医療や健康寿命に関する情報発信を行っている。

> 健康寿命を科学的に延ばす未来医療メディア『IshiPedia』
> 東京の長寿医学・個別化医療『渋谷セントラルクリニック』

渋谷セントラルクリニック代表として臨床に立つ一方、自身も深いワイン愛好家として知られ、医療・食・芸術・ライフスタイルを横断した独自の提案を続けている。

医食同源をテーマにした西洋薬膳レストラン「FAM」の監修など、食と健康を結びつける取り組みも行なっている。芸術や文化への造詣も深く、「豊かに生きること」と「健康であること」の接点を人生を通して探求し続ける、唯一無二のドクター。

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